MUSIC VIDEO
GORO NAKAGAWA
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NAOBUMI OKAMOTO
Dig-Music Gazette 02
祝婚歌
ぼくにとってDig Music Gazetteは、ライブに来られない人のために自分のライブを届けられる新しい手段だと思っている。
毎回一曲だけだが、岡本尚文さんのまったく作りごとのないリアルな映像と音は、ライブそのものだ。しかもライブでぼくが歌う前に喋っていることも併せて収められる。
歌を届ける新たな方法が急激に広がっている中、ぼくはDig Music Gazetteに、大きな可能性を見つけ出している。
15回も続けば、それこそぼくのライブが丸ごと見られることになる。でもほんとうのライブにもぜひ足を運んでください。
中川五郎
Dig-Music Gazette 01
一台のリヤカーが立ち向かう
ツィッターのようなソーシャル・ネットワーク・サーヴィスの動きがさかんになり、ぼくもそれらに参加して、貴重な情報を得たり、いろいろと恩恵を受けたりしている。
2010年10月に沖縄の辺野古ビーチで開かれた「ピース・ミュージック・フェスタ」でぼくが歌えるようになったのも、主催者のツィッターでのつぶやきを見て、ぼくがすぐにつぶやき返したことがきっかけだった。そして今回から始まるこの「動画シリーズ」も、プロデューサーでカメラマンの岡本尚文さんとぼくがツィッターを通じて知り合い、「ピース・ミュージック・フェスタ」で実際に会って、その後も会場だけにとどまらず、ぼくらの関係が密接に続いて行った中から生まれて来たものだ。
「ピース・ミュージック・フェスタ」でぼくが歌った歌だけではなく、最近のぼくの歌を、岡本さんは連続してビデオで収録し、それをいろんな場所で発表しようとしてくれている。ソーシャル・ネットワーク・サーヴィスを通じて知り合ったぼくらが、今度はソーシャル・ネットワーク・サーヴィスを通じて、いろんな人たちに発信して行くのだ。
それこそぼくが歌い始めた頃は、ライブやコンサート以外は、レコードでも作らないかぎり、遠くの誰かに自分の歌を聞いてもらえることはほとんど不可能だった。しかし今はいくつものソーシャル・ネットワーク・サーヴィスを通じて、どこにでもすぐに自分の歌を届けられるようになった。
歌は何よりも聞いてもらうためにあるとぼくは思う。いつまでも古いやり方にしがみつくのではなく、ぼくは自分の歌が一人でも多くの人の耳に届くよう、新しいやり方を積極的に取り入れていきたい。
沖縄の辺野古ビーチでの「ピース・ミュージック・フェスタ」から4か月ちょっと後の3月11日、東日本大震災が起り、日本は大変な岐路に立たされている。東京電力の原子力発電所の大事故、被災者に対する政府の冷たい対応、そして今こそ強い日本はひとつにという大同団結の風潮。それらを直接歌う、歌わないは別として、今こそ歌の力が、歌の意味が、歌の役目が真剣に問われているとぼくは思う。
そんな中、ぼくは岡本さんと一緒に、しっかりと地に足をつけ、それでいて自由に動き回るしなやかさも身につけながら、新しい歌を新しいかたちで届けるこのシリーズに全力で取り組んで行きたい。
中川五郎